身体障害者向け
医療設計プロジェクトAEDのポイント  

 


AED とは自動対外式除細動器の略です。心臓が心室細動などで痙攣し、血液を送り出すポンプ機能を失った状態(心停止といいます)の傷病者に対し、自動 的に心電図の測定・解析を行い、必要に応じて電気ショックを与え、一旦痙攣している心臓を止め、心臓を正常なリズムに戻すための医療機器です。



救命の流れ
 

 

 




AEDが到着するまで

 

AEDが到着したら



「胸骨圧迫の重要性」


電気ショックを与え、心臓を正常なリズムに戻すのがAEDですが、心臓が正常な機能を取り戻すまでの間、そのポンプ機能をサポートするのが胸骨圧迫で す。心臓マッサージともいわれています。心臓を胸骨の上から圧迫することで心臓のポンプ機能をサポートし、血液を心筋や脳などに送り出すのが、胸骨圧 迫です。生存率は、心停止が起きてから毎分10%ずつ低下します。但し、適正な胸骨圧迫を実施すると毎分4%程度に抑えることができます。また後遺症 の抑制にも繋がります。現在では119番通報から救急隊が到着するまで全国平均で約8分かかります。その間の的確な現場での救命措置が重要になりま す。

 

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「AED設置が望ましい施設」


駅・空港・高速道路・港
多くの人が集まるとともに、長旅や疲労等によるストレスが高まる環境にさらされ、心臓発作を起こしやすいといわれています。運行中はなかなか救急隊な どの専門家の助けを得ることができません。

スポーツ関連施設や大会開催場所等
スポーツ中の心停止は非常に多く報告されており、スポーツ中の突然死は比較的若い健常人に発生することが多いといわれています。過去には有名サッカー 選手が練習中に心停止となるも、その施設にはが設置されておらず、亡くなったという事例もあります。

大規模な商業施設
大規模な商業施設は、AEDを取りに行き現場に戻るまでの時間ができる限り短くなるよう、複数台AEDを設置することが推奨されます。

多数集客施設
アミューズメントパーク、動物園、海水浴場、スキー場、大規模入浴施設などの多数集客娯楽施設、観光施設、葬祭場などには複数のAEDを複数台設置す ることが推奨されます。

公共施設
役所や公民館などの公共施設は、心停止の発生頻度も一定数あるうえに、市民への啓発や、AED設置・管理の規範となるという意味からも、AEDの設置 が望まれます。

交番・消防署等
地域住民の命を守るという視線から、規模に関わらずAEDの設置が望まれます。

介護・福祉施設
一定の頻度で心停止が発生しており、AEDの設置が望まれます。

学校
学校での突然死は毎年約350件発生し、そのうち約80%が心臓突然死です。その多くは運動中であり、ランニング中が40%を占めます。その他、教職 員や保護者、地域住民の心停止も発生しています。

会社、工場、作業場
年配の社員が多く働く事業所には、AEDを設置することが望ましいといえます。

遊興施設

競馬場や競艇場、パチンコなどの遊興施設では、極めて人口の密集した環境下で、ストレスも高いために心停止のリスクが高く、倒れる瞬間を目撃される可能性も高いことから AEDの設置が望まれます。アメリカではカジノにおけるAED使用による救命体制が整備され、倒れてから3分以内の除細動実施症例における生存率は 70%以上にものぼったといわれています。

ホテル、展示場、劇場
多数の人が集まるとともに、滞在時間も長いため、AEDの設置が望まれます。

その他
民間救急車など、サービスの特性上AEDを用いた救命処置の実施が求められる施設は、AEDの設置や訓練が求められます。遠隔地、過疎地、その他迅速 な救急医療の提供を受けることができない場所にもAEDの設置が求められます。

文責:樋口 敬恭(ひぐち のりやす)
プロフィール
1958年名古屋生まれ、大学卒業後、大手繊維メーカーに入社、元アパレルシステム系会社社長。横浜市在住。